自閉症支援の困難2

 発達障害に興味を持ってウェブサイトなどを見ている定型発達者には
「言ってくれれば配慮できる」
と思っている人が多いでしょう。実際それくらいなら大丈夫という人は多いのですが、支援者やっていると、なかなか配慮してもらえないことに歯がゆい思いをします。
 毎回これを例にあげて申し訳ないのですが
「質問すると怒られる問題」
もその1つです。この表現は発達障害者側からの一方的な見方で、定型発達者側から見ると
「関係ないことをタイミング悪い時に質問し過ぎ問題」
となります。しかし定型発達者に言うと
「質問されても怒ったりしない」
と返って来ます。いや怒られるんですけど。この問題はそれだけ深刻で、歩み寄れないものです。
 問題は主に下記の3点です。
1 タイミングが悪い
2 たくさん聞き過ぎる
3 関係ない(と定型発達者が判断する)ことを聞く
 タイミングが読めないのはそれが障害だから仕方ないんですけど、それでは済まされません。私が気をつけているのは
・研修などを受けている時は質問ありますかと聞かれるまでしない
・怒られている時には質問しない
・仕事の場面で質問したい時は「今よろしいですか」と申し訳なさそうな顔をして「細かいことで申し訳ないんですが」と前置きして聞く
の3点ですが、申し訳なさそうな顔って何だよ、って感じですね。私もいろんな顔をしてみて一番相手の反応が好意的だった顔をしているだけなんですけど。
 2のたくさん聞き過ぎる問題については、質問は2つまでとかにして、これだけは聞きたいということを自分で決めないといけないのでしょうね。私も新しい職場などでは聞かないとわからないので心苦しいのですが、定型社会は仕事を覚えることよりも先に人間関係を構築することが大切なのです。
 3ですが、関係ないと定型発達者に判断されそうなことを聞く時は、人を選ぶ必要があります。どの職場にも話好きで親切な人はいるものです。ただそういう人は自分も関係ないことを言うので、聞いてあげなければなりません。
 最後に、配慮して欲しいことについて。
A 仕事などを教える時は紙に書いた資料を用意して欲しい。
B 朝会社に来たらまずこれをして、次にこれをして、という風に、作業を具体的に教えて欲しい。
C 質問には快く応じて欲しい。たくさん聞き過ぎて困る場合は「いくつまで」と区切って欲しい
 こうして書くと10年前の自分を思い出すと同時に、この10年自分がいかに恵まれてきたかを痛感してしまいます。
 理解するために質問したいのに、人間関係をぶちこわす要素になっているのは残念です。