自閉症支援の困難

 自閉症スペクトラムのうち障害と診断されるのは近年1%くらいだそうですが、特徴が強い人から弱い人まで少しずつ薄くなっていってはっきりした境目がないため、広く取れば10%くらいいる、と言われています。この10%が曲者です。
「何だそれくらい、自分にもそういうところあるよ。甘え甘え」
と理解した気になる人たち、同じではないんだ同じではないんだ、と叫び出したくなる私、それは伝わるでしょうか。
 自閉症の従業員への指示の出し方の中に
「間違っていたら注意するだけでなくどうすればいいのか説明する」
というのがあります。定型発達者はそんなの当然だ、とスルーしがちですが、注意するだけの人は意外とたくさんいます。それに、部分的に言われても混乱するだけなので、修正するならするで全体の工程を説明し直して欲しいです。注意されている時に
「では今度からこうすればいいでしょうか」
「この部分はこうしてこうしてこうするんでしょうか」
と聞くと、口答えしたと怒り出されます。質問は全然関係ない時にするか、怒っている人とは違う人にしなければなりません。違う人にすると微妙にやり方が違っていて怒られることもありますが、口答えと言われるよりましです。定型社会ではスキルのなさよりも性格の悪さの方が問題になるからです。
 Yahoo!ブログに新しく導入されたアクセス解析によると今も毎日のように読まれている
質問すると怒られる謎を追う
などに、私は質問されても怒ったりしないとコメントした人たちは、現在も同じように思っているでしょうか。どんな場面でも怒らないと言い切れるのでしょうか。私はそんな風に軽く考える定型発達者が怖いです。
 質問はタイミングと言い方と内容にものすごく気を使います。こう書くと
「こうすればいいのでは」
とまた一笑に付されてしまいます。いくら説明しても全く伝わりません。その場面にならないとわからないのですが、その場面で説明したらさらに怒られることになります。