今月今夜のこの月に

 説教族襲撃事件により、私のブログがめちゃめちゃにされたのがちょうど10年前の7月でした。それ以来7月は私にとって特別な月です。10周年となればなおさらです。
 なぜ障害を隠して懸命に働いている私が、障害を公表して人に助けてもらっている人に怠け者だの努力が足りないの言われなければならなかったのか、私にわかるように説明できる人はついに現れませんでした。
 こう書くと
「障害を持つ人が人に助けてもらうのは正当なことです」
と説教され、私はどんどん悪者になっていきました。人に助けてもらっている障害者はどんなに他人を攻撃してもよくて、一言でも言い返すと悪者にされてしまう世界に、私は呆然と立ち尽くすばかりでした。
 いまだにトラウマに悩まされていると書くと
「そんなことではその人たちの思うツボですよ。早く立ち直って見返してあげなさい」
と説教されそうだし、立ち直ってこんなに立派な人間になったと書くと
「ではその人たちに感謝しないといけませんね」
と強要されそうだし、どっちに転んでも安らぎはありませんが、一応両方書いておきます。
 私は自分のブログをめちゃめちゃにされたこと、その後の私のネット上での可能性を根こそぎにされたことを決して忘れません。彼らが忘れてしまっても、私は忘れません。一生。
 一方で、10年の間には紆余曲折があり、私は現在障害者支援の仕事をしています。もちろんそれ以前の仕事とは全然違っています。自分勝手でポンコツの私がどうしてそんなことになったのか、計画性があった訳ではなく、偶然が偶然を呼んだとしか言いようがありません。自分を知るために障害の勉強を始め、資格取得につながり、資格が仕事につながっていきました。
 身バレを恐れて隠していましたが、ここで告白しようと考えたのは、アクセスも減りましたし、10年間私を支えて下さったネッ友の皆さまに感謝の気持ちを示したかったからです。アクセスだけの人も含めてです。
 障害者が支援者に回る時、
「同じ障害者だから相手の気持ちがわかる」
と考えるようですが、私はむしろ
「他者の気持ちがわからない」
という自分の特性を武器にしています。ブログで知り合ったお友達からもらった、
「人は皆、テラ・インコグニタ(未知の大地)である」
という言葉が、常に心にあります。次の10年は、ブログばかりでなくリアルでもそれを広める活動をしたい、私のささやかな夢です。