夢をかなえる人の手帳術

 ひそかに愛用している本屋さんがあります。実家の近くの本屋さんです。普段住んでいる所の近辺の本屋さんより品揃えが私に合っていて、いつもいい本が手に入ります。地域性というものでしょう。やはり私はここの生まれなのだなと思わせてくれます。
 実家での最終日だった今日の午前中、その本屋さんでこの本を買いました。夢を見ることなどとっくにあきらめていた、あきらめなければならないと自分に言い聞かせていた私は、帰りの新幹線の中で、禁断の書をめくるようにドキドキしながら目次を開きます。
「夢や目標をはっきりさせよう」
押し込めていた小さな願いをそっと言葉にしてみます。
「昔やっていた好きな仕事に転職したい」
本が導くままに、その願いを具体化していきます。
「本当に欲しいものの正体を知ろう」
それはこれでいいのでしょうか。8年前、発達障害と診断された時、失業中の私は医師に
「まずできるだけ時間の取れる仕事に就いて、勉強して資格を取って、将来は1人で完結する専門職に就くといい」
と言われ、その通りにしました。
 多くの不満はありますが、発達障害者としては恵まれた状態で落ち着いているのに、今さら昔やっていた好きな仕事というのは虫が良すぎる気がします。転職するメリット、デメリット、しないメリット、デメリットを書き出してみると、転職するデメリット、しないメリットの方がずっと多いです。
 新しい仕事に就けば、仕事を覚えられないかも知れない、人間関係がうまくいかないかも知れない、サービス残業いっぱいあって過労死寸前になるかも知れない、何も身につかないまま職歴だけが増えるかも知れない、危険は無限にあります。
「好きな仕事をしたい」「毎日を楽しく生きたい」
それはないものねだりというもので、本当に大切なのは今持っているものなのかも知れません。失ってからでは遅いのです。
「心の声に耳を澄ませば、自分を本当に幸せにするものが何かわかるはずです」
と本にはありますが、やりたいこととそれを諭す正しいことが同時に聞こえてきて、どうしていいかわからなくなります。

夢をかなえる人の手帳術 最新版

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