ASがなくなる

朝日新聞デジタル消えるアスペルガー症候群 米診断手引19年ぶり改訂で
 診断基準の改訂でアスペルガー症候群がなくなるという話は前から聞いていましたが、
アスペルガー症候群という診断名にも色がついてしまったし、なくなってもいいかもね」
と軽く考えていました。
 自閉症スペクトラム障害に統合されるのかと思っていたら、現在アスペルガー症候群と診断されている人の4分の3が自閉症スペクトラム障害に該当しないそうです。4分の3、結構多いですね。私も該当しないかも知れません。すると私は新しい診断基準では発達障害者でなくなるのでしょうか。
 私は今のところ無事フルタイムで働いているし支援を受けている訳でもないので、発達障害者でなくなっても困らないのですが、いずれまた困ることになるかも知れません。
 発達障害にはグレーゾーンが存在するので、範囲を広げようとすればいくらでも広がります。キリがないのでここまでが障害、と決めてしまおうというのはわからなくはありません。
 8年前、発達障害と診断されなかったら私は暗闇の混乱から抜け出せなかったでしょう。仕事が覚えられず、若年性アルツハイマーではないかと真剣に悩んで、友達には
「30過ぎたら誰だって記憶力はなくなる」
と軽くあしらわれる中、やっと原因がわかったことは神の救いでした。
 私は「普通」なのでしょうか。「普通」の枠組みに私は受け入れられるのでしょうか。定型発達者はすぐ
「誰でも同じ、努力が足りないだけ」
と言いたがるけれど、普通でない枠組みを必要としているのは「普通」の人たちの方ではないのでしょうか。
 仕事が覚えられない私を責めながら、教えてくれる人たちも苦しんでいました。
「こんなに丁寧に一生懸命教えているのになぜ覚えられないの」
脳の仕組みが普通ではない人々が存在することを知っていたら、もう少し楽になれたでしょうに、そんなに「普通」にこだわることで苦しまないで下さい。
 普通の人は普通でない人を
「あの人は普通じゃないから」
と分類して安心することはないでしょうか。私はパーソナリティ障害に強い関心を持っていますが、理解しがたいほど意地悪な人を
「パーソナリティ障害ではないか」
と分類することで、相手を理解し、混乱を抑え、対処法を考えることができます。
 定型発達者は分類を嫌い
「みんな同じ」
と思いたがりますが、それでは困りませんか。