ハロワ!
- 作者: 久保寺健彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/10/05
- メディア: 単行本
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で紹介されていた小説、Yahoo!ショッピングで買おうとしたら在庫切れ、弟にアマゾンで注文してもらい、私の家に届くように手配してもらってやっと手に入れた1冊です。
帯には
「次々訪れるワケありの求職者たち―めんどくさいけど、憎めない。ハローワーク勤務・28歳男子の奮闘を描く、「お仕事」青春小説!」
とあり、28歳でまだ青春なのか、と早速突っ込んでしまいました。
時は日曜日の午後、楽しみにしていた本でもあり、すぐにページをめくりました。そこで展開されているのはいきなり怒鳴り散らす求職者の姿です。私も見たことがありますが、怖いし嫌なものです。相談員さんはもっと嫌でしょう。
その怒鳴り散らす求職者さんのプロフィールは、68歳元配管工で事務職希望、と私から見ても希望通りの就職は無理そうな人で、主人公が少しでも可能性を高めようとアドバイスしたら怒り出したのでした。ありがちです。私も年取ったらこうなっていそうです。
小説は一話完結形式で全8話、次々現れる個性的な求職者さんに新人相談員である主人公が奮闘する、というストーリーです。
求職者さんはリアルだけど、主人公はこんな相談員さんいたらまずいんではないの、と思える熱血キャラで、自殺をほのめかす求職者さんの電話にいきなり職場を飛び出したりします。
ハローワークの実態がどこまで正確に描かれているのかわかりませんが、中の人の苦労をフィクションの枠の中で伝えようとする意気込みが感じられました。
何年か前にハローワーク職員が求職者に灯油をかけられ火をつけられた事件がありましたが、それをモチーフにしたシーンもあり、大変な仕事であることがうかがえました。
いかにも青春小説らしいベタなストーリーでしたが、それなりにワクワクさせられながら一気に読み上げることができました。正直ラブストーリーは余計でしたが。
アメブロで購読していた、ハローワーク職員さんのブログを思い出しました。そのブログは周囲の人に見つかって閉鎖してしまいました。今後はこういう分野は、ブログではなく小説という形にした方がよいのかも知れません。様々な職種の実態がわかるような小説をもっと読みたいと思いました。