成熟とは何か3

一億総ガキ社会 「成熟拒否」という病 (光文社新書)

一億総ガキ社会 「成熟拒否」という病 (光文社新書)

 あきらめない生き方の限界は、
病気になりたい心理4
で書いたポジティブシンキングの弊害に似ています。
「私はできる、と思っていなければならない」
「自分はダメだ、と考えてはいけない」
というポジティブ病が蔓延しています。昔だって努力すれば何でもできる訳ではなかったのに、というか人類史上そんな時代はなかったはずなのに
「努力すれば何でもできる、できないのは努力が足りないから」
が無敵の真実のようにインプットされちゃっているのはどうしたことでしょう。
 上記書籍中でも、幼児的な万能感をいつまでも引きずり挫折や断念を受け入れないことが引きこもりやモンスター何とかの原因であるとしています。
一定の時期になったら自分はそんな大したものではないということを知らなければならないのですが、あまり早く知ってしまうと才能ある子をつぶしてしまうというご意見もありましょう。その割には才能ある子をつぶすような教育方針であることが不思議です。
 この書籍にある成熟とは、まとめると
「喪失を受け入れること」
です。喪失は小さな挫折から自身の死まで様々なものを包括しています。ポジティブシンキングはもう限界に来ているのでしょう。
 私は自分がダメ人間であることを受け入れたつもりですが
「仕事したくない」
なんて言っているところはまだまだです。仕事しないと生きていけない自分を受け入れなければなりません。(終わり)