小説家という職業3

小説家という職業 (集英社新書)

小説家という職業 (集英社新書)

 このタイトルが素敵な新書本は、まえがきが大変長いです。14ページあります。本編に組み入れていいんじゃないかというくらい長いまえがきには、要約すると
「ノウハウに頼るな」
ということが書かれています。常にノウハウ頼りの私には厳しいお言葉です。
 先日、ライトノベルという分野の作家が先達の作品を盗作して回収になったという騒ぎがありました。私はライトノベルをあまり読んだことがないのですが、この分野はある程度キャラクターや世界観、大体のストーリーが決まっているとも聞きます。
 盗作したとされた方は何を間違ったのでしょう。自分なりの創作パターンを作るために好きな作品をたくさん読んで研究したら似過ぎてしまったのでしょうか。多分そんなレベルじゃないのでしょうけれど、小説の書き方を他の作品から学ぼうとするとどうしても何かに似てしまいます。
 で、まえがきに戻るんですが、職業小説家になるには一定の質の作品を一定期間内に生み出すために、ノウハウは必要です。ただそれは他人から得たものではなく自分で開発しないと、どこかで見たような作品になってしまいます。ノウハウを開発できたらダダッと書けそうな気もするのですが、終わらせ方のノウハウが私にはありません。