病気になりたい心理6

 新型うつ病という言葉が流行しています。

  1. うつ病でもないのに自分をうつ病だとして休職しようとする
  2. 仕事はできないけど遊びには行ける
  3. 甘えだ甘えだ甘えだ

と散々です。そういう人が実在しないとは言いませんが、多くの善男善女はこれでは
「うつかも」
と思っても怖くて病院に行けないし、気分転換すらできないでしょう。
 これは形を変えたうつ病差別だと断言します。時々ある、
「障害者の中には障害者であることに甘えて努力しない人間もいる。そういう人間は差別してもよい」
とする考え方です。この考え方の卑劣なところは、障害者自身に他の障害者に対する差別をさせることです。努力する障害者は努力しない障害者に石を投げてもいいのでしょうか。努力しているかいないかなど証明のしようがありません。見ればわかるというのは単なる傲慢です。
 新型うつ病は、「本物の」うつ病患者と偽物を分断して差別合戦させようとする新しい試みに違いありません。
 うつ病が少しずつ社会の理解を得始めたため、よいうつ病と悪いうつ病に分断することで新たな差別の枠組みが生まれたのです。人種差別にも似たような構図があります。差別をなくそうとするとその中で分断が起こります。マジョリティに気に入られるマイノリティだけに名誉が与えられます。
 言い過ぎました。新型うつ病を最初に提唱した人は、差別のつもりではなかったでしょうし、新型うつ病の特徴を備えた人は実際いるのでしょう。新型うつ病という言葉が、軽度の人を攻撃する材料になっていないことを祈ります。(終わり)