病気になりたい心理5

ウツになりたいという病 (集英社新書)

ウツになりたいという病 (集英社新書)

 完璧でなければならない、完璧でなければそれは努力が足りないのだ、そうでなければ病気もしくは障害である、そんなはずはないのです。病気でも障害でもなくても、その人の限界はそれぞれにあるのに、
「努力が足りないだけ」
と非難する人が全てを破壊します。
 発達障害がブームのようになってしまった背景は、
「努力してもできないことに対して理由が欲しい」
という多くの人の叫びです。
 こう書くとこの人達がかわいそうな被害者みたいですが、完璧主義者は加害者でもあります。自分に完璧を求め過ぎて完璧でない自分を病気あるいは障害に位置づけようとするのと同様に、他人が完璧でないことも許せません。
 私はかつて自分のブログ内で、
「障害を盾に取るな」
と責められました。私は障害を周囲の人に伝えていないので盾に取りようがありません。その責めた人は、障害を理由に周りの人から助けてもらっていると自己紹介していました。訳わかりません。
 病気になりたがる心理と、他人を
「努力が足りないだけ」
と攻撃する心理は、つながっているようでなりません。