読む技術3

「読む」技術 速読・精読・味読の力をつける (光文社新書)

「読む」技術 速読・精読・味読の力をつける (光文社新書)

 この本は4部構成ですが、2部に入ったところでスキーマという言葉が出てきます。その説明部分を引用します。

スキーマは、構造化、一般化された知識の枠組みを示します。私たちはスキーマというものがなければ生活できません。たとえば、日本で病院に行くのはさほど不安はないでしょうが、海外で病院に行くときとても不安になります。それは、病院のなかで何が起こるかわからないからです。

 前半部分では全くイメージできませんが後半のたとえば以降を見ることによって、それが
「社会常識」「場のルール」
と呼ばれるものであることに気づきます。同時に、自分はこういう分野に疎かったことを思い出します。
 海外の小説(ジュニア版除く)を読むのは結構大変です。その社会に常識的に存在するもの、世界観が読み取りづらいからです。それをほとんど無意識に取り込んでしまう人もいます。
 この本の中ではスキーマを読み取るコツも挙げられています。

  • 予測すること
  • 修正すること

の2点です。スキーマは、読解だけでなくコミュニケーション問題にも活かせそうです。行き違いが生じた時は、
「この人と自分のスキーマは違っているのではないか」
「この人のスキーマは何だろう」
と立ち止まって考えることが大切です。なかなか実行できませんが。