ベーシックインカム
- 作者: 山森亮
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/02/17
- メディア: 新書
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ライブドア元社長のブログで紹介されてから、ベーシックインカムに関する論はよく見かけます。 ベーシックインカムの定義とは何でしょうか。きちんと定義づけると長いのですが
「国民全員に、最低保障として一定額の現金を、個人の状況に関わらず一律支給する制度」
として差し支えないでしょう。重要なのは次のことです。
- 現金支給であること
- 個人の状況に関わらず全員に支給されること
- 世帯単位でなく個人単位であること
トンデモの一種に見えなくもないですが、究極の社会福祉として惹かれるものはあります。政策としてだけでなく、
- 人はお金があれば働かないものなのか
- 自分はどうなのか
- 働く人と働かない人はお互いを理解しあえるのか
を強く意識させられもします。
リンク先書籍第1章から引用。
例えば19世紀ビクトリア時代のイギリスでは、貧困者のうち高齢者、障害者などが『救済に値する貧民』であった。これに対して高齢でも障害者でもない労働可能な貧困者(ワーキングプア)は『救済に値しない貧民』だとされ、労働規律を徹底的に植え付ける方針をとった。
これだけで記事1本書けそうですが、この時代から少しも変わっていません。今も
「高齢者、障害者は救済すべきだけどそうでない者は弾圧すべき」
と普通に考えられています。法的に障害者の枠に入らない障害者はたくさんいるのに、救済されるべきかそうでないかは誰がどうやって決めるのでしょう。
上記書籍はベーシックインカムの歴史と考え方の紹介に留まっています。現実的ではないということです。しかし、制度からもれた障害者への福祉政策であり、貧困による犯罪対策であり、自殺対策でもある、という点においてこれほど優れたシステムはありません。