「疲れない心」の作り方

 遅番出勤の日、出勤前に立ち寄った本屋さんで衝動買いしてしまいました。こういうタイトルに惹かれてしまうということは、心が疲れているんだろうと自分でもわかるのですが、定期的にもう駄目だと落ち込むので、類似本をたくさん持っています。
 類似本を買っては影響され、しばらくはその内容を参考にしてがんばるのですが、すぐまた落ち込むことがあって立ち直れなくなり類似本を買う、を繰り返している自分にウンザリです。
 この本も、よくある
「いい風に解釈すればいいことが起こる」
的内容なのですが、時折登場する
「何やっているんだろう」
「こんな仕事いつまで続けられるのかな」
「そもそも営業なんて向いていないんだ」
といったネガティブワードから目が離せません。先月の、お客様の言葉で自信を失い落ち込んでいた私にそっくりだからです。
 著者は住宅メーカーの営業だったのですが、超高額商品のため営業が大変でクレームも多く、待ちの営業である私なんかよりずっと大変な仕事です。辛いことばかりの中で奮闘し、何度状況に裏切られようとも信じる勇気を保持し続け、日々のちょっとしたことに幸せを見出だそうとしていく姿は、ポジティブシンキング嫌いの私でも心動かされました。
 私は自分の人生経験から、
「いい風に解釈すればいいことが起こる」
論を信じません。現に、先月私は最悪の精神状態で転職することばかり考えていたにもかかわらず、入社以来最高の成績を出したからです。それはお客様にひどいことを言われたせいでより一層接客に注意し、満足していただけるような情報提供に心がけたからだと推測できます。この本の中にもあった
「クレームは最高のアドバイス
というものです。
 だからといって先月のような精神状態で仕事をするのはまっぴらです。ネガティブシンキングは油断や周囲の悪意への注意を喚起してくれるし、成長への意欲にもなります。自分に向いていると思うので取り入れつつも、できたら楽しく仕事をしたいです。
「いい風に解釈すればいいことが起こる」
ではなく、最悪の事態に留意しつつ
「いい風に解釈すれば私が幸せ」
と受け取れたらいいなと思います。
 難しいお客様に当たってもいたずらに恐怖感にさいなまれることなく、
「勉強させてもらった」
「次はきっといいお客様にあたるぞ。その時にこの経験を生かそう」
と思えるようになったらこの本を買った価値があるというものです。