鏡よ鏡

 今週のお題は「心に残るプレゼント」です。
 昔はもらえるものなら何でもうれしいと思っていたのですが、
「プレゼントをもらったらお返しをしなければならない」
というルールを知ってから、面倒臭いものという情報がインプットされてしまいました。プレゼントをするのが好きだという人は
「お返しなんていらない」
と言うけれどソレも嘘なんでしょうね。
「お返しなんていらないけれどもお返しをしない人は常識がない」
くらいは思っているんでしょうね。ルールを知ってしまったらもう個人の言葉なんて信じられません。
 かなり昔、私が高校を卒業し田舎から脱出することになった時のことです。友達のグループがお金を出し合って私にプレゼントをしたい、何が欲しいか、と聞いてくれました。ルールを知らなかった図々しい私は
「鏡が欲しい」
と言いました。一人暮らしを始めるにあたってちょうど欲しいと思っていたのでそのまま口に出しました。
 友達グループと一緒に買いに行き、気に入ったものを買ってもらうことができました。その鏡は今も朝の身仕度の時使っています。プレゼントでもらったものというのはなかなか使わないし捨てるのも何だしで邪魔物化していくことが多いのですが、この鏡は素晴らしいプレゼントでした。欲しいものをそのままもらったからですが。
 ルールを知った今思い出すと、値段が高かったのではないか、お返しもしなかったので図々しいと思われたのではないか、と恥ずかしい気持ちになってしまうのでした。