言葉は音楽

子どもはことばをからだで覚える―メロディから意味の世界へ (中公新書)

子どもはことばをからだで覚える―メロディから意味の世界へ (中公新書)

 
 5年前にウィリアムズ症候群の参考文献として、ブログの読者の方に紹介してもらいました。「テレビの中のAS」でも紹介した正高信男先生の著作です。
 ウィリアムズ症候群とは、知能が総じて低く空間認知に劣っているのに対し、言語と音楽の能力が突出しているという特徴を持つ発達障害です。読んだら感想を書こうと思っていたのですが挫折してしまいました。特に前半部分は音楽によって説明されており、ドレミファソに譜面、音程を表すグラフまで登場し、音楽の苦手な私にはうまく解読できませんでした。
 この記事を書くにあたって読み返し、無理に読解しました。多分こういうことが書いてあります。
 

  1. 赤ちゃんは言葉をまず言語としてでなくリズムとして認識する。
  2. 従っていわゆる「読み聞かせ」は、赤ちゃんが言語の意味を理解していなくても、言語習得の上で効果がある。
  3. 人は生まれながらに心地好い音と嫌な音を聞き分ける能力を持っている。

 
 音声言語が赤ちゃんにとって音楽ならば、音楽の才能豊かなウィリアムズ症候群の子供の言語能力が高い理由づけにはなるでしょう。ちなみに私はピアノを弾いても全く反応しなかったそうです。
 私には少し難しい本でしたが、言葉が音楽のリズムのように知覚されるのはわかる気がします。書き言葉でも、リズミカルな文章を読み終わった時には音楽のような余韻があります。それは音楽の苦手な私にとっても心地よいものです。