精神障害の罪と罰

精神障害者をどう裁くか (光文社新書)

精神障害者をどう裁くか (光文社新書)

 
 精神障害者の攻撃性について書きたかったのですが、他に適当な参考文献も見つからないので触法精神障害者という視点からアプローチします。4回シリーズを予定しています。
 犯罪者全体のうち精神障害者の占める割合は一般人に占める割合より低いと言われますが、殺人、放火においては精神障害者の占める割合が大きいとされます。今のところ私は、
「異常だから犯罪を犯すのでなく、犯罪を犯す人には何らかの異常がある」
と理解しています。
殺人や放火を、正常な精神状態で行う人はまずいないでしょう。いたとしてもそれを正常とは言わないでしょう。
 
 本書で紹介されているイギリスのデータでは、殺人事件の加害者の9%がパーソナリティ障害、8%が気分障害(うつ、そううつなど)、6%が統合失調症だそうです。この数字はどう受け取られるでしょうか。
 多くの人がイメージする触法精神障害者統合失調症ではないかと思いますが、意外に少ないと受け取られるでしょうか。
 
 本当言うと、一般人に占める各疾患の割合からするとやはり統合失調症は高めです。ただ、多くの人にとって問題なのは殺人の件数であって、割合ではないと考えております。
 次回はその統合失調症について。